当院のドクター陣は、年間700本以上の親知らずの抜歯を行っており、抜歯が非常に困難な歯肉に埋まっているような親知らずも含め、あらゆるタイプの抜歯に対応しております。
また、当院にはCT装置も設置しておりますので、一般的な2次元レントゲンよりも精度の高い診査診断が可能になっていますので、「他院で難しい」と言われる症例でも対応することが可能になっています。
非常に多くの患者様から親知らずについてのお問い合わせを頂いており、たくさんの患者様が親知らずに関する悩みを持っていることを知りました。
親知らずを抜くのはやっぱり怖いし、どうやって抜くのか、痛いのかなど不安がたくさんあるかと思います。そこで実際の臨床例とともに、親知らずの抜歯について解説していきますので、参考にしてください。
親知らずはでてきたら何が何でも抜かなくてはいけないわけではありません。親知らずを残しておくことで、将来入れ歯やブリッジの土台として使ったり、どこかの歯がだめになった時に親知らずを移植できるメリットもありますので。
また、欧米人のようにお口が大きくて、上下の親知らずがしっかり噛み合っている場合は全く抜く必要がありません。しかし、実際のところ日本人の口の大きさから考えると、定員5人の車に6人で無理矢理乗っているかのごとく、無理矢理生えてきている親知らずがほとんどです。
前から7番目の歯がなくなってしまったため、親知らずを使ってブリッジにしています。 |
上下の親知らずが真っ直ぐ生えてしっかりと噛み合っており、歯ブラシもしっかりと当てているため、抜く必要はまったくありません。 |
ですので、その親知らずが原因で虫歯ができたり、周囲の歯肉が腫れて痛くなったり、現在問題はなくても周りの歯に悪影響を及ぼしそうな場合は抜いたほうがいいと判断します。
よく「痛くなったら抜けばいいの?」というご質問を受けますが、痛くなった時は親知らずだけでなく、その周りの歯も一緒に抜かなくてはいけない状況になっていることがあります。
そういったことを考えると、虫歯になる前でも予防的に抜くこともあります。歯科医師と相談の上、 親知らずを残しておいた場合の利点と欠点を比較し、抜歯の必要性をしっかり検討することが重要です。
上の親知らずは真っ直ぐ生えてくることが多いです。上の奥歯は頬の筋肉が歯の側面に近接しているため、非常に歯ブラシを当てるのが難しく、虫歯になることが多い場所です。抜くことは容易なことが多く、痛みや腫れも少ないことが多いです。しかし、上の場合でも虫歯が大きくなってから抜こうとすると、つかみにくくなり、抜くことが難しくなることもあります。
一番上にあるのが、親知らずです。手前の銀歯との堺がうっすら黒くなっているのがわかります。 |
レントゲンでみると、下の噛み合う歯がないため、上の親知らずが下にのびおりてきているのがわかります。 |
抜いた親知らずです。歯の側面に黒い虫歯がみられます。根は思ったより大きくて長いのです。 |
上記症例の手術時間は5分で、術後痛み止めを1日服用しましたが、その後は気になるほどの痛みは抑えられました。
下の親知らずは上の親知らずに比べると、真っ直ぐ生えてくることが少ないです。 上に比べて、唾液の浄化作用が届くため虫歯になりにくいですが、歯肉がはれて痛みを出すことが多いです。 根の大きさや形態、そして顎の骨がかたいため上の親知らずに比べると抜くことが大変です。また周りの歯肉が厚いため、真っ直ぐ生えていても歯肉の切開が必要なこともあります。
一番上にあるのが親知らずです。銀歯の辺縁から虫歯ができています。また奥の歯肉が炎症をおこして、赤く脹れています。 |
レントゲン写真でみると、親知らずの根が二つに分岐していることがわかります。 |
抜いた親知らずを見ると、銀歯の辺縁だけでなく、歯の側面で歯肉の中に隠れていた部分も虫歯になっていました。 |
上記症例は、右下の親知らずです。 手術時間は10分ですが、 痛み止めは5日間服用しました。頬の脹れはありませんでしたが、内側の、歯肉の腫れが4日ほどみられました。
親知らずの中でたちが悪いタイプになります。横に向いて埋まっているため、歯ブラシはもちろん、うがいで汚れを流すことも出来ないため、手前の歯との間に細菌がたまってしまいます。そこから感染して、親知らずだけでなくその手前の歯まで、虫歯になったり、歯肉が膿んだりすることがあります。
親知らずが手前の歯の根をおして、根がとけてしまいました。こうなると親知らずのみならず、手前の歯まで抜く必要がでてきます。 |
歯肉をやぶり少しだけ頭を出した親知らずの周りに汚れがたまり腫れてしまいました。 |
抜歯の手順としては、歯肉を切開して開き、顎の骨を削り、歯を割って小さくしてとりだします。抜歯後は縫う必要があります。抜くと言うより「摘出」といった方がいいかもしれません。それなりの口腔外科に対する知識、経験がないと難しい手術です。
真横を向いているため、手前の歯にぶつかってでてきません。 |
レントゲンで見ると真横を向いているのがわかります。また、根も二つにわかれているようです。 |
根が二つに分岐しており、その一つは非常に湾曲した形態をしていました。こういった曲りくねった根を抜くのは非常に困難で、うまくまわしてとらないと抜けてきません。 |
上記症例は、右下の親知らずです。手術時間は45分で、痛み止めを10日間服用しました。頬の腫れが5日間つづきました。