色々とありますが、「患者様が自分を信頼して身体を預けてくれること」だと思います。
以前、私は歯科大学を卒業した後、大学院に残り教授を目指していた時期がありました。
その時に強く感じたことは、患者様は治療を担当する「人」ではなく、「大学」を信頼して来院してくれていたということです。
そのため、まだ新米だった自分に対しても患者様は気を使ってくれ、患者様によっては、本当は不満があったとしても、それをグッと我慢して笑顔で私を迎えてくれた方もいました。
この状況を肌で感じ、「このままで医療人として、そして人間としての成長はあるのか?」と疑問を持ち、思い悩んだ挙句、最終的には大学を去る決断をしました。
その後は、一般の開業医に就職したのですが、その医院は「ドクター指名制」を採用していましたので、患者様が「担当医を変えてください」と言えば、すぐに担当が外されましたので、時には自分が担当する患者様がいない時期もありました。
大学病院と一般開業医の違いを感じた瞬間です。
本当に悔しかった。
しかし、同時に「ここで一生懸命頑張れば、人としても医療人としても成長できる」「中村という個人を正当に評価してくれる」という大学にはない嬉しさもありました。
そうこうするなかで、ある患者様を担当することになりました。
その方は、虫歯や歯周病で歯がボロボロの状態でしたが、自分の技術・経験を総動員し、治療が無事に終了した後、患者様から一言「中村先生に担当してもらって本当によかった」と満面の笑みでお伝え頂きました。
素直に嬉しかった。
無事に治療が終了し、患者様が満足していただけたこともそうですが、何よりも「病院」ではなく「私個人」を信頼して大切な身体を預けてくれたと感じたからです。
人から信頼されるということはとても嬉しくもありますが、同時に「大きな責任」もついてきます。しかし、その責任が医療人としての成長を促してくれるのです。
「どのような状況であっても、まず患者様の話を聴き、本音の部分を感じ取ること」これがすべてです。
医療の本質として、「患者様の要望を聴く」ということがあります。
これは当然のことです。なぜなら、医療とは患者様の大切な身体に介入する行為ですので、その最終判断は患者様自身がしなければならないからです。私たちが何の説明や同意もなく勝手に介入していいものではありません。
しかし、ただ「形式的・機械的に聴く」ことは意味を成しません。
その姿勢では「患者様は本音を絶対にお話ししてくれない」ためです。
ではどうすればいいのか?
特に難しいことではありません。
「人と人の関係性」をしっかりと築くだけです。
医療人の中には、自分の職業に変なプライドを持ち、患者様に対して高圧的な態度をとる方もいます。しかし、我々医療人はそんな特別な存在ではありません。
他の職業と同じで、医療という「サービス」を患者様に提供する存在です。
つまり、サービス業である限り、お客様が「望むもの」を事前にしっかりと把握し、その希望通りのものを提供しなければならないのです。
希望通りのものを提供するためには、お客様の「本音」を知らなければ提供はできません。
そのため、「医療人」という変な枠にとらわれるのではなく、「人と人との関係性」をしっかりと築き上げ、患者様に心を開いてもらい、本当に希望されていることをしっかりと聴くことが私たちの役割の1つだと私は考えています。
歯医者に対して悪い印象を持たれている方がいらっしゃいます。
これは、過去、歯医者で何か嫌な思いをされたからだと思います。
当院では、患者様が歯医者嫌いになる理由を考え、それを改善する取り組みを行ってきました。
一度、当院に来院してみてください。
あなたの歯医者に対してのマイナスイメージを払しょくさせる自信が当院にはあります。
そして、もし過去の嫌な体験がありましたらすべてお話しください。
可能な限り、患者様が嫌がることはしないよう尽力いたします。
すべては患者様の満足のために。